【AIは魔法じゃない】失敗した人ほど、使いこなせる
今日は、この1年半、AIを使いまくってきた私の、率直な感想をお伝えしたいと思います。
AIを使えば、何でも簡単にできる。
文章をお願いすれば、すぐに完成する。
アプリを作って、と頼めば、そのまま動く。
面倒な作業も、自動化してくれる。
たぶん、まだAIを、それほど使っていない方ほど、こんなイメージを持っているのではないでしょうか。
実は、私も、最初は、思い切りそう思っていました。
いや、AIって、すごい。
これからは、難しいことも、全部AIへ頼めばいい。
そんな未来が、いきなり来たような感覚があったんです。
でも、この1年半、毎日のように使ってみると、実際は、そんなに甘くありませんでした。
普通に、エラーは出ます。
昨日まで動いていたものが、急に止まります。
画像を作れば、キャラクターの服が変わる。
漫画を作れば、前後の話がつながらない。
コードを動かせば、見たことのない英語のメッセージが出てくる。
正直、何度も、もういいや、と思いました。
ただ、使いまくった今は、少し考え方が変わっています。
AIは、何でも一度で完成させる魔法ではありません。
失敗しながら、自分の道具に変えていくものなんです。
そして、少し不思議な言い方になりますが、失敗した回数が多い人ほど、AIを使いこなせるようになるのではないかと思っています。
設定したのに、まったく返事がない
以前、Claudeと、あるチャットツールをつなぐ設定をしていたときのことです。
似たような設定は、今までも、何度かやっていました。
なので、今回も、まあ、できるだろうと、少し軽く考えていたんです。
ところが、設定したはずなのに、まったく返事がない。
何度やっても、動かない。
正直、かなり焦りました。
設定画面を見ても、それらしい項目が、いくつもあります。
どこを間違えたのか。
何を確認すればいいのか。
そもそも、自分が、どの段階まで正しく進められているのか。
それすら、よくわかりません。
こういうとき、以前の私なら、インターネットで、同じエラーを検索していたと思います。
表示された英語を、そのまま検索欄へ入れる。
似た事例を見つける。
書いてある手順を、よくわからないまま試す。
それでも動かなければ、また別の記事を探す。
でもこれ、めちゃくちゃ疲れるんですよね…。
しかも、見つかった情報が、今の自分の環境に合っているとは限りません。
今回は、画面に出ているメッセージと、今まで行った設定を、そのままClaudeへ見せました。
そして、こう聞きました。
なぜ、動かないのか。
次に、どこを確認すればいいのか。
一つずつ、順番に教えてほしい。
そこから、何度も、やり取りしました。
ここを確認してください。
この設定は、どうなっていますか。
では、次に、こちらを見てください。
そんな感じで、一つずつ確かめていったんです。
結果として、原因は、最初の設定にあった、たった一つの間違いでした。
わかってしまえば、なんだ、そんなことか、という話です。
でも、この失敗があったから、どの設定が、何のために必要なのかが、以前より、かなりわかるようになりました。
ここが、大事なんですよね。
一回で成功すると、わからないまま終わる
一回で、うまくいく。
これは、もちろん、うれしいです。
作業も、早く終わります。
ただ、AIが出したものを、そのまま使って、たまたま動いた場合、なぜ動いたのかを、よく理解しないまま終わることがあります。
次に、似た問題が起きたとき、また、最初からAIへ聞くことになります。
反対に、失敗した作業は、どこで止まり、何を確認し、どう直したのかが、自分の経験として残ります。
あのときは、ここが原因だった。
まず、この設定を見る。
この情報がなければ、AIも判断できない。
前回と違うのは、ここだ。
こうした小さな理解が、少しずつ増えていきます。
AIへ状況を伝える言葉も、具体的になります。
以前は、ただ、動きません、としか言えなかった。
でも、失敗を経験すると、ここまでは動いている、この処理のあとに止まる、この表示が出ている、と説明できるようになります。
AIの回答が、急に賢くなったわけではありません。
こちらが、問題を、具体的に渡せるようになったんです。
つまり、失敗した数だけ、AIが、自分の使える道具へ変わっていくんですよね。
ただし、失敗するだけで、勝手に学べるわけではありません。
ここは、私も、かなり気をつけています。
「直して」で終わらせない
AIが、修正案を出してくれる。
そのとおりに試すと、動く。
よかった。
これで、終わり。
忙しいと、どうしても、こうなります。
私も、早く直したいので、出てきた修正を、そのまま試したくなります。
まさに、毎回そうです。
でも、よくわからないけれど動いた、で終わると、次も、同じところで詰まります。
最近は、できるだけ、修正方法だけではなく、理由も聞くようにしています。
今、何が起きているのか。
原因は、どこにあるのか。
なぜ、この修正が必要なのか。
この変更によって、何が変わるのか。
また同じことが起きたら、どこを見ればいいのか。
ここまで聞くと、単なるトラブル対応が、小さな勉強へ変わります。
そして、これは、プログラムや、自動化だけの話ではありません。
会社の仕事でも、同じです。
AIに資料を作ってもらったら、数字が違っていた。
長い資料の要約を頼んだら、大事な条件が抜けていた。
メールを書いてもらったら、内容は正しいけれど、相手との関係に合わない、少し冷たい文章になっていた。
そこで、AIは使えない、と終わるのは簡単です。
でも、なぜ違ったのかを見ていくと、自分が渡していなかった情報が見つかります。
どの数字を、基準にするのか。
何を、絶対に落としてはいけないのか。
相手と、自分は、どんな関係なのか。
このメールで、相手に、何をしてほしいのか。
AIが間違えたように見えて、実は、自分でも、目的を、はっきり決めていなかった。
そんなことも、かなりあります。
AIの失敗は、AIの弱点だけを見せるものではありません。
自分の仕事の曖昧さも、かなり、はっきり見せてくれます。
ここは、少し怖いところでもあり、でも、ものすごく役に立つところでもあります。
仕事で失敗すると、つい、その事実を、早く消したくなります。
間違った資料を直す。
動かなかった仕組みを、動く状態へ戻す。
相手へ送る前に、文章を整える。
もちろん、修正することは必要です。
ただ、直った瞬間に、失敗した理由まで忘れてしまうと、せっかく見つかった改善点も消えてしまいます。
なぜ、数字を取り違えたのか。
なぜ、大事な条件が抜けたのか。
なぜ、相手へ伝わりにくい文章になったのか。
AIへ聞くことで、今まで感覚で進めていた仕事を、言葉にして見直すことができます。
これは、AIに仕事を奪われる、という話とは、少し違います。
AIを使うことで、自分の仕事の進め方が、見えるようになるんです。
失敗を隠すより、失敗を材料にする。
この意識があるだけで、AIとのやり取りは、かなり変わると思います。
AIは、自分の失敗を一緒に分析できる
エクセルの関数も、マクロも、最初から自由に使えたわけではありません。
何度も間違えて、調べて、直しているうちに、仕事で使える道具になりました。
AIも、たぶん、同じです。
ただ、AIには、今までの道具とは、少し違うところがあります。
失敗したとき、その道具自身へ相談できるんです。
冷静に考えると、これ、かなりすごいことですよね。
AIへ相談して、何かを作った。
でも、うまくいかなかった。
すると、作るときに相談した相手へ、今度は、どこで失敗したのかを分析して、と頼めます。
こちらは、失敗した作業を、ある程度、理解しています。
本当は、どうしたかったのかも、わかっています。
だから、人間が、ゴールを示す。
今の動きは違う、と伝える。
AIが、原因の候補を出す。
人間が、実際の画面や結果を確認する。
また、AIへ伝える。
この往復によって、AI側の理解も進みますし、人間側の理解も進みます。
AIへ、全部任せるのではありません。
人間だけで、全部抱えるのでもありません。
人間がオーナーになって、AIと一緒に、問題を整理していく。
私は、この使い方が、かなり大事だと思っています。
うまくいかないことは、AIを使う才能がない証拠ではありません。
AIと、一緒に考える材料が、見つかったということです。
今日、止まっている作業を一つだけ開く
それではここで、今日のタスクです。
今、AIを使っていて、途中で止まっている作業はありませんか。
うまく動かない自動化。
思った形にならない画像。
どう直せばいいのか、わからなくなった文章。
作り始めたけれど、エラーが出て、閉じてしまったもの。
その中から、一つだけ、もう一度、開いてみてください。
そして、いきなり、直して、と頼むのではなく、まず、こう聞いてみてください。
「今、何が起きているのかを、説明してください。」
「原因として、考えられるものを、順番に教えてください。」
「次に確認する場所を、一つだけ教えてください。」
修正したあと、何が変わるのかも、説明してください。
この聞き方をすると、AIの回答を、そのまま受け取るのではなく、一緒に問題を解いている感覚へ変わります。
AIは、失敗しない人だけが使える道具ではありません。
失敗を、そのまま学びへ変えられる人ほど、使いこなせる道具です。
うまくいかなかった経験を捨てず、次に使える、自分の知識へ変えていきましょう。
私も、これから、まだまだ失敗すると思います。
たぶん、明日も、何かが動かない、と悩んでいるかもしれません。
でも、その失敗も、一つずつ、自分の道具へ変えていきたいと思っています。
それでは、次回のおおかみ通信もお楽しみに!
図解師★ウルフ
最後にお知らせです
AIを使って、自分の仕事や発信を、少しずつ形にしてみたい方は、コミュニティ「展知」ものぞいてみてください。
一人で正解を探すのではなく、試しながら、失敗しながら、自分なりのAIとの付き合い方を見つけられるかもしれません。

