【自戒回】自分のAIに、言わせないことを決めていますか

今日は自分に対しての戒めの回です。
でももしかすると、あなたにも思い当たるフシがあるかもしれないので、気になる方は、ぜひ流し読みしてみて下さい。
AIが生成した文章に、ゾッとしました…
少し前、AIに作ってもらった台本を読んでいて、ゾッとしたことがありました。
文章は、きれいでした。
話の流れも、わかりやすい。
たぶん、そのまま読んでも、ほとんどの人は、違和感を持たなかったと思います。
でも、そのなかに、私が、実際にはしていないことが、私の体験として、書かれていたんです。
「何枚かの漫画を並べて比べたことで、気づきがあった」
私は、漫画を並べていません。
これ、事実では、ないんです。
もちろん、AIが、私をだまそうとしたわけではありません。
話が自然につながるように、それらしい体験を、補ってくれただけです。
でも、ここが、かなり怖いところでした…。
文章として自然だと、私自身も、うっかり見落とします。
台本を読み上げる直前、ふと「あれ、こんなことしたっけ」と一拍止まれたのは、本当に、運が良かっただけです。
そのまま話していたら、やってもいないことを、私の体験として、伝えるところでした。
ここで気づけなかった場合、配信を聞いてくださっている方には、私が体験者として語った言葉として、残ってしまいます。あとから訂正しても、聞いた印象は、なかなか元には戻りません。
配信本数が積み上がっていくほど、自分でも、過去の自分が「言ったこと」と「言っていないこと」の境目が、あいまいになっていく。これは、地味ですが、けっこう不気味な感覚です。
私は、ここから、自分の中の運用を、すこし変えました。
なにを言ってほしいかと、同じくらい大事なこと
あなたのAIにも、同じことが起きていませんか。
メール、資料、ブログ、発信、レビュー、SNSの返信。
内容が整っているからという理由だけで、事実や、自分の考えまで、AIに補わせていないでしょうか。
この出来事があって、私は、1つ決めました。
「自分のAIに、言わせないことを、先に決めておく」
自分軸を守る、というと、好きなことや、大事な価値観を、たくさん教えるイメージがあります。
プロンプトの最初に、自己紹介や、自分のスタイルを、たくさん書いておく、というやり方です。
もちろん、それも大事です。
でも、それだけでは、足りないんですよね。
なにを言ってほしいかと同じくらい、なにを言わせないかを決める。
ここに、その人らしさが、出ます。
私が、まず言わせないと決めたのは、実際にしていないことを、体験として書くこと、でした。
AIは、話の足りない部分を、もっともらしく埋めるのが得意です。
だから、体験が必要なら、勝手に作らず、私に聞いてください、と先に伝えています。
この一文をプロンプトに加えただけで、返ってくる原稿の中に、知らない自分のエピソードが混ざる頻度が、ぐっと下がりました。
そして、文章の中に「ここは私の体験談ですか?」と短い質問が、ときどき返ってくるようになりました。最初は手間に感じましたが、これが、いま、いちばん助かっている部分です。
AIに「足りない部分は、聞き返してほしい」と先に頼んでおくこと。これだけでも、出力の質と、自分の納得感は、はっきり変わります。空欄をそれらしく埋めてもらうのではなく、こちらに材料を取りに来てくれる関係に、すこし近づいた感じがあります。
「便利そう」と「絶対につかうべき」は、まったく違う
つぎに、私が決めていない結論を、私の意見として、言い切らせないようにしています。
たとえば、あるサービスについて、便利そうだと感じただけなのに、AIが「これは絶対につかうべきです」と強く書くことがあります。
そこまで、私は、判断していません。
「便利そう」と「絶対につかうべき」は、まったく違います。
最後に、どこまで言い切るかは、私自身が決めることなんですよね。
ここを任せてしまうと、自分は半信半疑なのに、配信や記事の中の自分が、迷いなく断定している、というズレが起きます。
読んでくれた方からすれば、強く勧められて買ったのに、本人はそこまで使い込んでいなかった、ということになってしまう。
これは、信頼の問題に、まっすぐ効いてきます。
もう1つは、不安をあおる言葉だけを、ならべること。
「このままでは、取り残されます」
「いま始めないと、手遅れです」
「やらない人は、確実に損をします」
そんな強い言葉は、たしかに、目を引きます。クリック率も、おそらく上がります。
でも、それを、私は、本当に伝えたいのか。
言葉が強くなるほど、読んだ人の中に残るのは、内容ではなく、不安そのものになります。
それは、私が届けたいものとは、すこし違うんですよね。
ここは、毎回、立ち止まりたいと思っています。
AIを思い切りつかうために、境界線を決めておく
私自身、AIを、毎日つかっています。
ポッドキャストも、メルマガも、画像も、自動化も、コミュニティの返信も、かなり助けてもらっています。
だから、AIをつかってはいけない、という話ではありません。
むしろ、思い切りつかうために、境界線を決めておくんです。
会社の仕事でも、同じです。
AIに報告書を書かせたら「現場は混乱していました」と書いてくるかもしれません。
でも、AIは、現場を見ていません。
「お客様からも好評でした」という一文も、よく出てきます。
でも、実際に聞いていないなら、それも、ただの想像です。
読みやすさのために足された一文が、会社では、事実のように残ってしまう。
ここ、けっこう怖いところです。
社内の議事録、提案資料、顧客への返信。
AIで整えた一文が、次の打ち合わせの前提として共有され、誰も疑わないまま、判断材料になっていく。気づいたときには、もう誰の発言か、誰の確認か、わからなくなっている。
こういう状態が、いちばん怖いです。事実か、AIの言葉の流れか、誰にも切り分けられないまま、組織の記憶として、定着してしまう。
文章を出す人の名前は、AIではなく、自分です。
だから、最後に責任を持つ境界線だけは、手放してはいけません。
「実際に見たこと」
「誰かから聞いたこと」
「自分が推測していること」
この3つを混ぜないで、しっかり区別するのは、人間の仕事です。
あなたが、会社で出している文章は、どこまでが事実で、どこからがAIの補足か、説明できますか。
ここが説明できないまま、文章だけがきれいになっていくと、便利さと引き換えに、信頼を、すこしずつ失ってしまいます。
言わせないことは、そのまま自分の価値観
私は、AIへの指示に、こういう一文を、いれるようにしています。
「体験していないことを、私の体験として書かない」
「事実と推測を分ける。推測のときは、推測だとはっきり書く」
「私の判断が必要なところは、勝手に決めず、質問する」
「不安をあおるだけの言い方をしない」
「自信のない部分は、自信のないトーンのまま残す」
これだけで、返ってくる文章は、かなり変わります。
そして、おもしろいのは、言わせないことを決めると、自分がなにを大事にしているのかも、見えてくることです。
私は、上手な文章より、本当に体験したことを、大事にしたい。
強い言葉より、自分が納得している言葉を、届けたい。
読者が、軽い気持ちで読み流すよりも、ひとつだけでも、自分の生活に持ち帰ってもらえるほうが、うれしい。
言わせないことは、そのまま、自分の価値観なんですよね。
では私、図解師★ウルフはどうしているのか。
週に1回、自分が出した文章をいくつか読み返して「これは、自分が本当に言ったことか」を確認するようにしています。
メルマガ、Podcast台本、X投稿、コミュニティの返信。
読み返していて、語尾が強すぎる、断定が早すぎる、体験のディテールがやけにそろいすぎている、と感じたところは、次回から、AIへの指示を1行追加するようにしています。
面倒だな、と思うときもあります。
でも、この一手間が抜けると、自分の発信が、すこしずつ「だれが書いてもいい文章」に近づいてしまう。それが、いちばん避けたいことです。
自分が書いた、と胸を張れる文章だけを残していく。AIをつかっているからこそ、ここは、人任せにしたくないんですよね。
小さな違和感を、そのまま流さないこと。
これは、AIをつかう時代だからこそ、いちばん残しておきたい習慣だと思っています。
今日のタスク
あなたは、自分のAIに、なにを言わせたくないですか。
今日、AIをひらいたら、設定や、いつもの指示に、1つだけ、書き足してみてください。
「体験していないことを、私の体験として書かない」
まずは、この一文だけでも、十分です。
そして、AIから返ってきた文章を、今日1回だけでいいので、こう問い直してみてください。
「これは、私が本当に体験したことか」
「これは、私が本当に判断したことか」
「ここまで強く、私は言いたいと思っているか」
それだけで、AIとの距離感は、すこし変わります。
もし、自分のAIに「言わせないこと」のリストを、すこしずつ増やしていくと、ひとつ気づくことがあると思います。
それは、増えたリストの裏側に、いつのまにか、自分が大事にしている価値観が、はっきり並びはじめている、ということです。
AIに、なにを言わせるかだけではなく、なにを言わせないかを決める。
その小さな境界線から、自分軸を、守っていきましょう。
ぜひ、今日の最初の会話から、ためしてみてくださいね。
今日のお話は、Podcastでも、もうすこし詳しくお話ししています。
https://stand.fm/episodes/6a399f8546dc41e493d35826
それでは、次回のおおかみ通信もお楽しみに!
図解師★ウルフ
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